『解体工事業登録』

【解体工事業の登録が必要な場合と不要な場合】

建築物等の解体工事を行うには建設業の許可又は、解体工事業の登録が必要になります。それぞれどういった場合に建設業の許可が必要であり、また、解体工事業の登録が必要になるかは以下のとおりです。

軽微な工事に該当しない解体工事を請負う場合→建設業の許可が必要

軽微な工事に該当する解体工事のみを請負う場合→解体工事業の登録が必要

※軽微な工事とは、請負代金の額が500万円未満(消費税込み)の工事になります。但し、建築一式工事については、請負代金の額が1,500万円未満(消費税込み)の工事又は、延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事を言います。

土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可業者→解体工事業の登録は不要

【解体工事業の登録について】

解体工事業を営もうとする者は、元請け・下請けに関わらず、解体工事業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録が必要になります。(複数の都道府県で解体工事を行う場合は、営業所を置かない都道府県であってもそれぞれの都道府県知事の登録が必要になります)→営業所の所在地ではなく、解体現場を管轄する都道府県知事への登録が必要になります!

※登録の有効期間は5年になります。

【技術管理者の選任】

解体工事業者は、工事現場における解体工事の施工の技術上の管理を行う者として、国土交通省令で定める基準に適合する技術管理者を選任しなければなりません。(技術管理者は、解体工事の施工において、分別解体の施工方法の指導・監督・機械操作等に関する指導・監督、建設廃棄物の処理に関する指導・監督、安全管理や周辺環境等、その他関係法令等に従った指導・監督を行います)

【技術管理者の基準】(解体工事業に係る登録等に関する省令第7号)

 A)学歴+実務経験年数

学歴の該当必要とする実務経験年数
1)大学で土木工学等※1に関する学科を 修めて卒業した者  卒業後、 解体工事に関し2年以上の実務経験
2)高等専門学校で土木工学等に関する 学科を修めて卒業した者
3)高等学校で土木工学等に関する学科 を修めて卒業した者  卒業後、 解体工事に関し4年以上の実務経験
4)中等教育学校※2で土木工学等に関す る学科を修めて卒業した者
5)上記以外解体工事に関し8年以上の実務経験

※1 土木工学等とは、土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地、造園に関する学科を含む)、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科をいう。

※2 中等教育学校とは、いわゆる中高一貫教育で、卒業後は高等学校卒業と同等となる学校のことをいう。

 B)国家資格取得者

資格の名称根拠法令
6)1級建設機械施工技士      建設業法の定めによるもの
7)2級建設機械施工技士 (種別「第1種」又は「第2種」)
8)1級土木施工管理技士
9)2級土木施工管理技士(種別「土木」)
10)1級建築施工管理技士
11)2級建築施工管理技士(種別「建築」又は「躯体」)
12)一級建築士建築士法の定め によるもの
13)二級建築士
14)1級のとび・とび工の技能検定に合格した者職業能力開発促進法の定めによ るもの
15)2級のとび又はとび工の技能検定に合格した後、解体工事に 関し1年以上の実務経験を有する者
16)技術士(2次試験のうち技術部門を建設部門とするものに 合格した者)技術士法の定め によるもの

C)次のいすれかに該当する者で、国土交通大臣が実施する講習又は国土交通大臣の登録を受けた講習(登録講習)を受講した者

学歴の該当必要とする実務経験年数
1)大学で土木工学等※1に関する学科を 修めて卒業した者  卒業後、 解体工事に関し1年以上の実務経験
2)高等専門学校で土木工学等に関する 学科を修めて卒業した者
3)高等学校で土木工学等に関する学科 を修めて卒業した者  卒業後、 解体工事に関し3年以上の実務経験
4)中等教育学校※2で土木工学等に関す る学科を修めて卒業した者
5)上記以外解体工事に関し7年以上の実務経験

※講習を受講することで、必要とされる実務経験年数が、それぞれの場合において1年短縮されることとなります。

登録講習の名称:解体工事施工技術講習(2日間連続の講習になります。実施時期等、詳細は下記までご連絡の上、ご確認下さい)

登録講習の実施機関:公益社団法人全国解体工事業団体連合会(東京都中央区八丁堀4-1-3 TEL 03-3555-2196)

D) 国土交通大臣の登録を受けた試験(登録試験)に合格した者

登録試験の名称登録試験の実施機関
22)解体工事施工技士試験公益社団法人全国解体工事業団体連合会

E) 国土交通大臣が上記A~Dに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定した者

・監理技術者については、学歴+実務経験、国家資格取得者、学歴や資格に関係なく実務経験のみ3パターンが基本になります。実務経験のみですと8年の実務経験が必要になります。(解体工事業登録業者か該当する建設業許可業者での実務経験に限ります)実務経験のみの場合を例にあげて申しますと、上記の講習を受けることで、8年から7年になります。必要とされる実務経験年数が1年短縮されることになります。また、外国における実務経験のカウント可否については、それぞれ都道府県知事の判断となります。小職が埼玉県の事例で実際に伺った話では、同県において外国での実務経験を認めた例は過去には無いとの話でした。個別での判断になりますが、ハードルは高いと言わざるを得ないと思います。